TOPPAN CVCの2022年を総ざらい! 流通・小売り、細胞培養、キャッシュレス、乳幼児ヘルメット、コミュニティ支援まで広範な事業で協業を実現

2022年TOPPAN CVC JOURNALでは、様々なベンチャー企業との取り組みを紹介してきましたが、本年は本記事で最後の更新となります。というわけで今回は、凸版印刷が2022年に実施したベンチャー企業との協業を、ダイジェスト形式で紹介したいと思います。流通・小売りに始まり、細胞培養、キャッシュレス決済、乳幼児向けヘルメット、コミュニティ支援と、凸版印刷らしく実に幅広い領域での活動となりました。

HataLuck and Personと流通・小売業界におけるDXソリューションを開発

https://www.toppan.co.jp/news/2022/04/newsrelease220412_1.html

2022年3月凸版印刷は、店舗マネジメントツール「はたLuck(R)」を中心に流通・小売業界の生産性向上を支援する株式会社HataLuck and Personと、資本業務提携契約を締結しました。

「はたLuck(R)」は、流通・小売業界を中心としたサービス産業で、シフト業務の効率化や、従業員同士の情報共有など、店舗内の情報共有効率化などをサポートするSaaS製品です。

凸版印刷は、長年にわたるメーカーや流通企業との店頭POP・販促用チラシなどの制作を通し、店頭起点のプロモーションやマーケティングのノウハウを蓄積してきました。また近年では、オンラインとオフラインを融合した体験価値提供の重要度の高まりを受け、「店舗の存在価値の再定義」に向けた新たな取り組みを行っています。

両者が手を組むことで、はたLuck(R)のデータと凸版印刷のサービスを組み合わせたリアル店舗支援型のマーケティング事業創出などに取り組んでいきます。

培地開発技術をもつマイオリッジと細胞培養領域の研究開発で協業

https://www.toppan.co.jp/news/2022/04/newsrelease220425_1.html

凸版印刷は現在、成長領域の一つとして位置付けている「健康・ライフサイエンス」分野の研究開発を総合研究所で進めており、その一環として大阪大学の松崎教授と「3D細胞培養技術」の基礎研究を共同で行ってきました。独自の製法により複数の細胞を立体的に共培養することで、人体の微小部位を疑似的に形成することができる技術で、創薬研究や個別化医療、培養食料、再生医療など、幅広い分野での応用可能性が期待されています。

一方のマイオリッジは、京都大学の研究成果を基に設立されたベンチャー企業。細胞製品や培地の販売、培地開発支援サービス、その他基材・操作法・装置等の細胞培養に関する全工程俯瞰型の開発支援サービスを行っています。

今回の提携により両社は「3D細胞培養技術」の開発を加速するとともに、培地の安定供給、規制に適合した培地開発、スケールアップ時の培地の低コスト化を実現し、細胞培養領域の新事業創出を加速させます。

EVERINGと、キャッシュレス決済・ドアの解錠ができるスマートリング事業で協業

https://www.toppan.co.jp/news/2022/05/newsrelease220531_1.html


凸版印刷はVISAのタッチ決済ができるスマートリング「EVERING(エブリング)」を提供する株式会社EVERINGと、2022年3月に資本業務提携契約を締結しています。これに伴い凸版印刷は5月31日より、リング型決済・ID認証デバイス「EVERING」を、入退室管理や勤怠管理など自社のセキュアサービスと組み合わせて販売開始しています。

凸版印刷は従来、ICカード事業における豊富な経験を通じて、暗号、認証および不正アクセス防止など、業界最高水準のセキュリティ技術を培ってきました。凸版印刷のこの技術とリング型デバイス「EVERING」を掛け合わせることで、両社で新たなセキュリティデバイス市場を創造していきます。またヘルスケア分野など、キャッシュレス決済にとどまらない新しい生活様式に沿ったサービスを開発、提供していく予定です。

米国にCVCファンドおよび投資管理子会社を設立

https://www.toppan.co.jp/news/2022/07/newsrelease220701_1.html
凸版印刷は、欧米を中心とした海外の有望なベンチャー企業との協業によるオープンイノベーションを加速させるべく、投資管理会社としてToppan Global Venture Partners, Inc.(TGVP)を2022年6月1日に米国で設立。第1号ファンドとしてTGVP Fund I, LPを組成。President CEOには、TOPPAN CVCでアメリカの投資をリードしてきた矢野 悠平が就任しています。

https://toppan-cvc-journal.jp/%e5%87%b8%e7%89%88%e5%8d%b0%e5%88%b7/692/
凸版印刷は、2016年にベンチャー企業への投資を開始して以来、国内外の有望なベンチャー企業50社以上への投資/業務提携を実行してきました。現在は特に中期経営計画に沿った「DX」と「SX」を中心に、投資活動をしています。

そんな中2022年6月に、これまで以上に海外での投資活動を起点とした事業開発を推進するべく、米国にCVCファンドを設立するに至りました。北米/欧州を中心とした、新たな環境配慮型サービスやプロダクトの開発技術を持った革新的なベンチャー企業との連携を通じて、凸版印刷の事業ポートフォリオ変革をより一層加速させていきます。
TGVPの詳細はウェブサイト(https://www.tgvp.vc/)をご覧ください。

ジャパン・メディカル・カンパニーと乳幼児向けスマートヘルメットの共同開発を開始

https://www.toppan.co.jp/news/2022/09/newsrelease220927_3.html

凸版印刷は最先端の3Dプリント技術を用いた医療機器の開発を行うベンチャー企業である株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーと、2021年3月に資本業務提携契約を締結。共同で頭蓋骨形状矯正ヘルメット治療の啓蒙施策や頭蓋骨形状矯正ヘルメットの製造過程に必要な三次元計測技術を活用したスキャナーを開発しています。

これに加え2022年9月には、乳幼児体内の健康状態を可視化するセンサーなどを搭載した新しい乳幼児向け頭蓋骨形状矯正ヘルメットを2027年9月までに販売開始することを目指し、新たな共同開発を開始しました。

乳幼児の頭の形は、「位置的頭蓋骨変形症」などと呼ばれる「歪み」が生じてしまうことが知られています。ジャパン・メディカル・カンパニーはこの歪みを日本製で日本人の赤ちゃんに合わせたオーダーメイドの頭蓋形状矯正ヘルメットを製作。凸版印刷とジャパン・メディカル・カンパニーは、両者の知見を融合させ、頭蓋形状矯正ヘルメット拡販を進めるとともに、2027年度中に新たな頭蓋形状矯正ヘルメットを開発/提供することを目指します。

オシロ、凸版印刷と資本業務提携を発表

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000053812.html

2022年8月には、コミュニティ専用オウンドプラットフォーム「OSIRO」を提供するオシロ株式会社と資本業務提携契約を締結しています。OSIROはオウンドコミュニティの構築・運営プラットフォームとして、会員管理、月額・スポット課金、コンテンツ配信、グループ、チャット、ポイント、イベント、さらにはカートレスECまで、コミュニティの構築・運営に必要な全ての機能が一つに集約され、コミュニティを活性化させるサービスです。

今回の資本業務提携を経て、凸版印刷の販売力やマーケティングノウハウと、オシロが持つ共創コミュニティに特化したシステムや運営知見とを連携し、これまで個人クリエイター向けに提供していたオシロのサービスを企業・ブランドや行政にも本格的に展開することで、企業・行政の共創コミュニティづくりを推進していきます。また、凸版印刷の持つコンテンツ・文化財などとの取引実績や信頼基盤、DXサービス・コンテンツにおける多彩な表現技術と、オシロのトップクリエイターとの取引実績や活性化コミュニティを基盤とするシステムや豊富なノウハウとを組み合わせ、クリエイターを起点とする文化経済圏を創出していく予定です。

TOPPAN CVC責任者の朝田、スタートアップ投資TVに出演


協業の報告ではありませんが、2022年6月にはGazelle Capitalが運営する「スタートアップ投資TV」に、TOPPAN CVCの責任者である朝田が出演しました。TOPPAN CVCの歴史や今のしごとを振り返っており、関係者からご好評いただいています。TOPPAN CVCについて知りたいという方は、こちらもぜひご覧ください。

─ ─ ─ ─ ─

以上、TOPPAN CVCの2022年ダイジェストでした。2021年に引き続き2022年も、凸版印刷が元々得意とする小売りやセキュリティはもちろん、細胞培養やスマートヘルメットなど、幅広い領域のベンチャー企業と資本業務提携を締結してきました。これを起点に2023年も、国内外で新たなイノベーションを推進していきます。

凸版印刷との協業に興味のあるベンチャー企業の方は、ぜひこちらからお問い合わせ下さい。

2022年も大変お世話になりました。2023年もよろしくお願いします!