2024年、TOPPAN CVC JOURNALでは様々なスタートアップとの取り組みを紹介してきました。本記事では本年最後の更新として、TOPPAN CVCの2024年の活動をダイジェストで紹介します。
2024年は5件の資本業務提携(公開情報のみ)と、1社の海外企業買収が実現しました。投資先の2社は上場を果たしています。
目次
資本業務提携・M&A・業務提携
INDUSTRIAL-Xへ出資。企業向けDX推進支援事業で協業を開始
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/03/newsrelease240329_1.html
TOPPANホールディングス株式会社と株式会社INDUSTRIAL-Xは、企業向けDX推進支援事業での協業に向け、2024年1月に資本業務提携契約を締結し、4月より共同でサービス提供を開始しました。TOPPANグループのDXに関する先進技術・ソリューションとINDUSTRIAL-XのDX推進におけるコンサルティングのノウハウを掛け合わせ、企業のDXを多面的に支援します。
今後、INDUSTRIAL-XとTOPPANグループは、コンサルティングを主軸としたDX推進支援事業の取組みを拡張していく予定です。INDUSTRIAL-Xが有する産業DXに関するナレッジや経験・実績、さらにはソリューションプラットフォームサービス「Resource Cloud®」に、TOPPANグループが培ってきた製造現場の課題改善のノウハウを外販向けにアレンジし、それをパッケージ化して提供している製造DX支援ソリューション「NAVINECT®」を掛け合わせ、新たなソリューション群を構築していきます。
CO-NECT・TOPPANホールディングス・TBネクストコミュニケーションズの3社がBtoB受発注DX事業で協業
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/07/newsrelease240731_1.html
CO-NECT株式会社、TOPPANホールディングス、株式会社TBネクストコミュニケーションズ(TOPPANホールディングスとベルシステム24ホールディングスの合弁会社)の3社は、BtoB領域の受発注業務のDXを加速するために協業を開始しました。それに伴いTOPPANホールディングスが2024年7月にCO-NECTに出資しています。
CO-NECT は、ユーザーのITリテラシーに左右されずに利用できるBtoB受発注システム「CO-NECT」や、受発注業務全般を代行するBPOサービス「CO-NECTクロート」を運営するスタートアップです。CO-NECTとTOPPANグループは、CO-NECTの持つBPaaS(Business Process as a Service)ソリューションと、TOPPANグループの持つ「Hybrid-BPO®」のノウハウとコミュニケーション、およびCRMに強みを持つTBネクストコミュニケーションズの機能を融合させ、受発注業務領域における新たなDXソリューションの提供を目指します。
ザ・ファージと保健機能食品の開発支援事業で連携
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/09/newsrelease240912_1.html
TOPPANホールディングスと、個別化された血糖値コントロールソリューションを提供する株式会社ザ・ファージは、機能性表示食品や特定保健用食品をはじめとする保健機能食品の研究開発支援事業の推進に向け、2024年9月に資本業務提携を締結しました。
ザ・ファージは、保健医療分野のAI開発によるデータヘルス・医療DXの推進を行うスタートアップです。パーソナライズされた生活提案を行う糖尿病の総合診療支援システム「グルコースフライト®」などを開発しています。
近年、高齢化が進む中、予防医療への関心が高まり、保健機能食品市場が拡大しています。しかし、その開発・販売には多大な時間とコストがかかるのが課題です。ザ・ファージとTOPPANは、血糖値を中心とした保健機能食品の研究開発や保健機能食品向けのパッケージ開発・プロモーションで連携し、上記の課題解決に取り組んでいきます。
またザ・ファージとTOPPANは、保健医療分野のAI開発によるデータヘルス、医療DX推進とデータ取得プロジェクトへの参画を通じた研究の推進に向けた連携に関する基本合意書を締結。ヘルスケアデータの解析を通じた国民の健康寿命の延伸や、医療DXの推進などに邁進します。
施設やジムなどのスポーツアセットの運用事業を展開するAscendersと資本業務提携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000033680.html
7月にはAscenders株式会社との資本業務提携を発表しました。同社はスタジオなどのスポーツ関連リアルアセットを運用するスタートアップです。
オリンピック・パラリンピック競技大会やラグビーワールドカップでスポンサーを務めるなど、スポーツとの関わりも深いTOPPANは、プロスポーツチームや競技団体のマーケティング支援やIP運用、新しいマネタイズ方法の開発にも取り組んできました。スポーツアセット運用の知見や実績・経験、人材などを有するAscendersとタッグを組むことで、これらの取り組みを加速するべく、資本業務提携に至っています。
なお、上記で紹介したCO-NECT、ザ・ファージ、Ascendersについては以下の記事にも登場しています。こちらも是非ご覧ください。
高精度AI測量アプリ「Scanat」を展開するnatと資本業務提携
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/12/newsrelease241203_1.html
11月、TOPPANホールディングスは現実空間を高精度にデジタル化するiOSアプリ「Scanat」などを展開するnat株式会社との資本業務提携を発表しました。
「Scanat」は、動画を撮影するように、対象をスキャンするだけで誰でも簡単に現実空間をミリメートル単位の精度で記録・計測できるアプリで、建設業をはじめ、不動産や製造業、自治体など各業界における空間の確認・記録作業の業務効率化を支援しています。
今後両社は、TOPPANグループが提供する建材・設備メーカー向けBIMデータ管理サービス「GAMEDIOS® BIMオプション」で管理する建材・設備のBIMデータとnatの3D空間データを融合し、デジタルツイン空間での建材・設備シミュレーションサービスの開発を目指します。
ベルギーのIoTソリューション会社「Selinko」を買収
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/10/newsrelease241030_1.html
TOPPANホールディングスは、欧州を中心にID認証プラットフォームの開発を行うベルギーSelinko SAの株式を100%取得し、2024年10月に子会社化しました。Selinkoは、セキュアNFCタグを用いた真贋判定ID認証プラットフォームを通じて、欧州の高級ブランド品、高級酒、化粧品などのラグジュアリー業界を中心に真贋判定ソリューションを提供しています。
TOPPANグループは本買収により、欧州におけるIoT・スマートパッケージ分野のサービスを強化し、欧州市場で需要が高まるラグジュアリー業界向けのIoT・スマートパッケージ事業を加速させていく予定です。
環境配慮型素材「LIMEX」を使用した化粧シートを開発
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/11/newsrelease241125_1.html
TOPPAN株式会社は、TOPPAN CVCが2018年に出資した株式会社TBMが開発するプラスチックやCO2の削減、資源の保全に貢献する環境配慮型素材「LIMEX」を用いて、建装材用途に使用可能な化粧シート(建築物や、家具・什器などの表面に使用される、木目などを印刷したシート)を開発しました。
LIMEXは、枯渇資源である石化由来の樹脂をベースとした従来のフィルムにかわり、炭酸カルシウム(石灰石)などの無機物を50%以上含む新素材です。石化由来の樹脂ベースフィルムをLIMEXへ置き換えることで、従来の化粧シートよりもプラスチック使用量を約40%削減し、製品開発に伴うCO2排出量の低減(当社比)を実現しました。
出資スタートアップの上場
Liberawareが東京証券取引所グロース市場へ上場
https://liberaware.co.jp/東京証券取引所グロース市場への上場のお知らせ/
ドローンを活用した屋内点検サービスを展開する株式会社Liberawareは、2024年7月29日に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。
TOPPANはLiberawareに2021年に出資しています。Liberawareの皆様、おめでとうございます!
オルツが東京証券取引所グロース市場へ上場
AI議事録作成サービス「AI GIJIROKU」やP.A.I(パーソナル人工知能)といったAIソリューションを開発する株式会社オルツが、2024年7月29日に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。
TOPPANはオルツに2021年に出資しています。オルツの皆様、おめでとうございます!
TOPPAN CVCメンバー登壇イベント
TOPPAN CVCは2024年もメディアに取り上げていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
INNOVATOR NEXT FORCE
STORIUM
JAPAN CVC SUMMIT
FIRST CVC
投資事例から紐解くオープンイノベーション!
(HIRAC FUNDとTOPPAN CVCの共催イベント)
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以上、TOPPAN CVCの2024年の活動をダイジェストでお送りしました。
本年は昨年から継続して投資を実行し、またイベント主催も実現できました。投資先の2社がグロース市場へ上場したことも嬉しいニュースとなっています。また飛び地への出資や海外企業の買収も実現しました。
TOPPAN CVCは2025年も、国内外での新たなイノベーション創出に邁進してまいります。TOPPANとの協業や資本提携に興味のあるスタートアップの方は、ぜひこちらからお問い合わせください。
2024年も大変お世話になりました。2025年もよろしくお願いします!