2025年、TOPPAN CVC JOURNALでは様々なスタートアップとの取り組みを紹介してきました。本記事では本年最後の更新として、TOPPAN CVCの2025年の活動をダイジェストで紹介します。
2025年は2件の資本業務提携(公開情報のみ)に加え、LP出資や米国CVCの追加調達、社内外でCVC活動を評価いただいた1年となりました。
Table of Contents
共同開発
アバター・AI技術活用のAVITAとAIファッションモデルでの協業を開始
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2025/01/newsrelease250128_1.html

アバターやAI技術を活用したサービスの開発を行うAVITA株式会社とTOPPAN株式会社は、2021年7月に資本業務提携契約を締結し、デジタルツインに関連した製品・サービスの共同開発を進めてきました。その協業の成果として実を結んだのが、1月に発表した「AIファッションモデルプロモーション&接客 DXソリューション」です。
本ソリューションは、モデル(撮影した人物)の身体に生成AIで作成した顔を自然な形で合成することにより、手軽に様々なパターンでモデルのアバターを作成します。販促用の静止画や動画に活用するだけでなく顧客対応も可能で、ブランドイメージに合わせた顔・髪型のアバターモデルの手軽な作成を可能にしました。「AIファッションモデルプロモーション&接客 DXソリューション」を提供することで、企業のアバターに関する課題を解決し、また接客業務のDXを支援していきます。
AVITAとの上記取り組みについては、以下の記事でも詳細を聞いています。ぜひこちらもご覧ください。
資本業務提携
末梢血による再生医療に取り組むリィエイルへ出資。3D細胞培養技術と連携へ
https://www.re-eir.com/post/250717

7月、患者本人の末梢血による再生医療の事業化に取り組む順天堂大学発スタートアップである株式会社リィエイルへの出資が発表されました。TOPPANグループが手掛ける3D細胞培養技術との連携も進めていく予定です。
リィエイルは、順天堂大学大学院医学研究科再生医学主任教授である田中里佳氏の技術を基盤にして、再生医療等製品を開発するスタートアップです。難治性虚血性下肢潰瘍を対象に、患者自身の末梢血から採取した単核球細胞群を独自の培養技術で加工した後、疾患部位に直接投与します。血管新生や再生機能の促進、抗炎症作用を有し、創傷治癒を加速することで血流改善と組織修復を促進します。これにより、下肢切断の回避と再発のない根治的治療の実現が可能となります。
100%自然由来の超吸水性ポリマーを開発するEF Polymerと資本業務提携
https://efpolymer.jp/news/efp-news-seriesb-second-close

9月、100%自然由来の超吸水性ポリマーの開発を手掛けるEF Polymer株式会社のシリーズBラウンド資金調達が発表されました。TOPPANホールディングス株式会社は同社と資本業務提携を結び、各種次世代製品の生産における協業を進めていきます。
EF Polymerはインド生まれ・沖縄育ちのディープテック・スタートアップです。オレンジやバナナの皮など、従来捨てられていた残渣をアップサイクルし、100%自然由来の超吸水性ポリマー「EFポリマー」を農業資材として製造しています。完全有機のポリマーを日用品や化粧品の原材料としての応用を推進することで、企業のグリーントランスフォーメーション(GX)を支援。水不足を中心とした環境問題の解決を目指しています。
ファンドニュース
独立系VC PARTNERS FUNDへLP出資
https://efpolymer.jp/news/efp-news-seriesb-second-close

4月、独立系ベンチャーキャピタルのPARTNERS FUNDは、Partners Fund 2号投資事業有限責任組合を設立しました。TOPPANホールディングス株式会社は同ファンドにLP出資を実施しています。
PARTNERS FUNDはプレシード〜プレシリーズA段階のスタートアップに投資する方針で、IPOだけでなく、M&AやセカンダリーもExit戦略として重視。得意分野の異なる5人のパートナーが所属しており、BtoBにもBtoCにもDeepTechにも幅広く投資を実行しています。
「LP出資はあまりしない」というTOPPAN CVCですが、PARTNERS FUNDへ投資した裏側を以下の記事で聞いています。こちらもぜひご覧ください。
米国のCVC投資ファンド「TGVP Fund」が最終募集を完了

TOPPANホールディングスは2022年に、海外での投資活動を起点とした事業開発を推進するべく、アメリカにToppan Global Venture Partners(TGVP)を設立しました。第1号ファンドとしてTGVP Fund Iを組成し、米国シリコンバレーで約20年以上の投資経験を持つパートナーメンバーと、各分野で専門性を発揮するTOPPANホールディングスのメンバーを中心に現地拠点を強化しています。新たな環境配慮型サービスやプロダクトの開発技術を持った革新的なベンチャー企業との連携を通じて、DX/SX分野を重点領域とした投資および事業開発を北米を中心に進めてきました。
TOPPANホールディングスはそのTGVP Fund Iに追加出資を決定。同時に株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の参画も決まり、同ファンドは約52百万米ドルの規模となりました。
TGVPは今後も、北米・欧州を中心としたスタートアップとの資本業務提携を通じて、事業ポートフォリオ変革をより一層加速させていきます。
表彰・その他活動
Morning Pitch大企業イノベーションアワード
https://toppan-cvc-journal.jp/toppancvc/1814/

Morning Pitchは、毎週木曜日午前7時から開催している、スタートアップと大企業の事業提携創出を目的としたピッチイベントです。毎週5社のベンチャー企業が、大企業・ベンチャーキャピタル・メディア等のオーディエンスに対しピッチを行います。 2013年1月から開始し、2025年12月時点で約570回、累計約2,800社のベンチャー企業が登壇。 デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社と野村證券株式会社の2社が幹事となり開催しています。
そのMorning Pitchは、スタートアップとの協業に積極的な大企業を表彰する「Morning Pitch大企業イノベーションアワード 2025」を実施。Morning Pitchに2024年に登壇したスタートアップへのアンケートと、過去登壇スタートアップとの2024年の提携実績を基に、総合評価をランキングしています。
TOPPANホールディングスは1位を受賞し、年に1回の特別版「Morning Pitch Special Edition 2025」で表彰いただきました。
これまで出資・協業させていただいたスタートアップや関係者の皆様のおかげです。この場を借りて感謝申し上げます、ありがとうございます!
TOPPAN CVC投資先交流会
3月にはTOPPAN CVCの投資先交流会を開催しました。20社以上のスタートアップにご参加いただき、事業や資金調達に関する情報交換が活発に行われました。

実は投資先間の連携は、先述したAVITAとの記事でも触れられています。AVITA株式会社 取締役副社⻑COOである⻄⼝昇吾さんは以下のように語ってくれました。
別の出資先から「TOPPANとこんなことをしている」「TOPPANはこういうリソースもある」といった話を聞いたのですが、結構知らないこともあるんですよね。まだまだ連携できることがあると思います。
TOPPANグループとの協業は元より、投資先同士も上手く連携できるように、TOPPAN CVCとしても取り組んでいきます!
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以上、TOPPAN CVCの2025年の活動をダイジェストでお送りしました。
2025年は資本業務提携の他に、ファンドに関するニュースや、表彰についてもお伝えできました。とはいえ、(上でも記載した通り)この成果はTOPPAN CVCだけで成し遂げたものではなく、社内で実際に協業を推進していただいている関係者、そしてスタートアップの皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
TOPPAN CVCは2026年も引き続き、関係者と国内外で新たなイノベーションを創出するべく邁進していきます。TOPPANとの協業や資本提携に興味のあるスタートアップの方は、ぜひこちらからお問い合わせください。
2025年も大変お世話になりました。2026年もよろしくお願いします!


